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白内障とは?
目の中には水晶体というカメラのレンズのような役割をする組織があるのですが、そこが濁ってしまう病気です。
白内障になると、眼の中に光がきちんと入っていかなくなることで、以下のようなさまざまな症状が起こります。
- 光がまぶしく感じる
- かすみがかって見える
- 暗いときと明るいときで見え方がちがう
- 視力が低下する
- 物がダブって見える(単眼性複視による乱視)
白内障治療について
白内障が認められても視力が出ていたり、生活上支障がない場合は、点眼薬にて治療します。しかし日常生活に支障をきたすようになった場合は点眼薬では改善することができないため手術を行うのが一般的です。日常生活に支障をきたす度合いも人によって異なりますので、悩まれていらっしゃるようでしたらご相談いただけたらと思います。
白内障手術について(当院では日帰り白内障手術を行っております。)
手術は局所麻酔下で行います。点眼薬で麻酔をした後に眼の裏側に注射の麻酔を行います。これらの麻酔により手術中は痛みはほとんどありません。また意識のある状態ですので緊張される方も多いですが、声をかけながら手術を行っていきますので、リラックスして手術を受けていただけたらと思います。
麻酔が終わったら、目に小さな切開を作り、その切開創から器械を入れて濁った水晶体を砕いて除去し、眼内レンズを挿入します。
眼内レンズ
眼内レンズは多くのメーカーから発売されておりますが、当院ではHOYA社製のMicro255を使用しています。
このレンズは、プリセットタイプ(初めからカートリッジの中に入っていて、手術中にセッシでレンズを折りたたんだりセッティングする必要がないタイプ)のためレンズ挿入時の雑菌の混入を防ぎ、さらにこのレンズを使用することで眼に切開を入れる幅が2.1~2.3mmととても小さな切開創で手術を行うことができるため、患者様の眼への負担は少なく手術を行うことができます。
手術に際しての注意事項
術中・術後に起こりえる合併症
- 術後炎症・眼圧上昇
- 手術後に炎症が起こったり眼圧が上昇することがありますが、その際は点眼薬を変更したり、内服薬を追加して治療します。
- 術後感染
- 手術の傷口から眼内に菌が入ると感染症を起こします。その際は抗生剤の点滴や眼内への注射を行います。場合によっては追加手術が必要となることもあります。
手術中や手術後に傷口から菌が入らないよう当院ではクリーンルーム(無菌化できる手術室)を使用し、できる限り狭い切開創で手術を行い、プリセットタイプの眼内レンズを使用し感染症が1例も起こることのないよう気を付けています。 - 術後屈折度数のずれ
- 白内障手術後の眼の度数について、近視をなくし遠方重視にする、または近視にして近方重視の見え方にするのかを手術前に相談し、眼内レンズの度数を決定しています。しかし手術後その度数がずれてしまうことがあります。日常生活に支障がないようでしたら眼鏡等にて矯正します。非常にまれですが支障をきたすほどずれてしまった際には、眼内レンズを交換することも可能です。
- 眼内レンズが入らない
- 白内障手術では、濁った水晶体の周りの膜を残してその膜の中に眼内レンズを挿入しますが、その膜を支えている組織や膜自体が弱くなっている場合、眼内レンズを入れることができないことがまれにあります。その際は当日または後日に眼内レンズを縫い付ける手術を行います。
術前から術後までの流れ
- 視力検査
どの程度見えているのかを確認します。 - 前眼部検査
白内障の程度を確認します。 - 眼圧・眼底・角膜内皮細胞検査
白内障以外の病気(緑内障や眼底出血等)がないか確認します。
白内障手術を受けることが決まりましたら、手術に必要な検査と説明を行っていきます。
- 眼内レンズ度数決定(眼軸長検査)
患者様の生活スタイルや遠くを見えることを重視・または近くを見えることを重視する等の希望を聞いたうえで眼内レンズの度数を決定します。 - 採血検査
体に異常がないか、出血傾向がないか等確認します。 - 白内障手術および術中・術後合併症等の説明
白内障手術について、また手術後の安静度等含めて説明します。 - 手術前点眼薬処方
手術前に抗生剤と消炎薬を使用することで手術後の炎症や感染症の発症を抑える目的で点眼します。
日帰りで手術を行います。
来院後、手術をするための点眼薬を5分間隔で1時間前後使用します。
手術時間は15~30分程度です。
手術後はしばらく安静にし、様子を見た後にご帰宅となります。
来院からご帰宅までは1.5~2時間が目安になります。
また、手術をした方の眼は眼帯をします(翌日の診察で外しますのでそれまでは外さないようお願いいたします)。
このため可能な限りご家族等付添いの方と一緒にご来院ください。
手術後は傷口の加減で多少違和感が起こることがございます。
また、手術後は定期的な診察が必要となりますので、指示通りに来院してください。
目安としては、翌日,数日後,1週間後,2週間後,1カ月後と来院していただき、
その後は半年間の間、1カ月ごとの検診を受けていただきます。